認知症の改善だけでなく予防にも効果が認められている回想法ですが、介護士がそれを実施する場合には、いくつか注意点があります。
まず、高齢者に対して回想法を実施する際には、しっかりと準備をすることが大切です。
まず最も重要なことは、高齢者の体調や状況などを予め把握しておくことです。
もし、体調が優れない場合、回想法を実施してもあまり効果が出ません。
回想法の効果の一つとして、精神を落ち着かせるということが期待できますが、本人の体調が悪ければ精神安定を図ることが困難になるばかりか、回想法の効果を発揮することができなくなってしまいます。
そのため、介護士は事前に本人の体調をよく確認しておくことが大切です。
次に、回想法を行うためにはある程度事前情報を把握しておくことが重要です。
本人の生年月日や家族構成、それに経歴などを聞き手である介護士が把握しておくことで、回想法の効果を高めることができます。
個人情報の取り扱いに十分注意をしながら、家族の同意を得た上で本人のバックグラウンドに関する理解を深めておきましょう。
最後に、回想法に用いる道具を準備しておきましょう。
回想法はグループでもマンツーマンでも実施することができます。
しかし、どちらかと言うとマンツーマンの方が高い効果を得られ、また聞き役である介護士もやりやすいと言われています。
マンツーマンで実施する場合には、昔のアルバムを家族に借りるなどして用意しておきます。
また、音楽を使った回想法もあり、『大切な記憶が力になる「回想法」を知る』にはアプリを使った方法も記載されていたのでやってみてはいかがでしょうか?